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5S活動の見直し
仕事の2Sとものの2Sの説明で、仕事の見直しの難しさは理解
いただけたと思う
しかし、仕事の整理整頓が例え全体の10%程度でも実施でき
れば、その効果は絶大である
止めた仕事の後工程は全て無くなる、空いた工数をより重要な
仕事に割り振れるため、ますます賛同者が増える
ものの場合は、取りだす時間が早くなる
今までぺちゃぺちゃとおしゃべりをしていた職場が聞いたり確認
したりする必要が無くなるため口数が少なくなる
仕事の優先順位が上司のその場の気分でなくルールとして定着
するため、周囲の職場や顧客から仕事が見えるようになり、対応
が早くなる
仕事の待ち時間もなくなるし、待っても納得がいくようになる
・・・
最も大きな効果は改善活動が出来るようになることである
今までも改善活動はしていたというかもしれない
しかし、いらない仕事を改善しても価値はないのである
同様に廃棄するものを片付けても、邪魔なものが右から左に動い
ただけであり、改善そのものが不要だったことになる
本当に必要な仕事だけ、必要なものだけを対象に考えてこそ、
改善活動が有効に経営に作用すると考えるべきである
トップページから、「生産改善の俯瞰図」をヒットして眺めて欲しい、
5Sが下から2段目に位置付けられているのは、全ての活動
の前提として必要だからである
改善活動だけでなく、ISOの取得や生産管理システム構築、在庫
管理、資産管理・・・全て5Sが前提である
参考までに仕事の2S実施のまとめ的資料をご紹介する
たしか「業務分担表」といった名称である

意味深に「まとめ的」といったのは、最初にこれをイメージして
行動すると失敗するからである
自分の会社(この事例では工場内)の業務を分類し、誰がど
の仕事をどの位の重要度と感じてやっているか、関連する人は
どうかを調査する、更に月当たりの作業時間や、今後整理する
べきか否かを検討する
しかし、これとは別に、実業務を各自の判断で自由に区分し、
その時間を記入、更には重要度も記入してもらうと全く別の生
々しい業務分担表が出来上がる

上の表と業務と人が縦横逆になっているがご容赦願いたい
文字が見ずらいが仕事の内容と時間が記入してある
仕事の内容として進捗管理の項目に工場長確認会や対策立案、
製造進捗管理にはトラブル対応といった文字が見える
またシステムオペレーションやオプション部品品揃えといった付帯作
業が大きな比重を占めているのが判る
これら負の作業がある半面、中期計画や人員計画といった標準に
ある作業はやっていない事が判る
図に見えるAやYは課長級の人材であり実務としてこの2名がやらない
業務は部長以上は全くタッチできないし作業もできない
つまり工場として人員計画といういかにも必要そうな業務は実態では
存在しないでも何とかなるのである
正にいらない業務は標準として定めた方に存在していたことになる
また、トラブル対応等は彼らも負の業務である事は重々承知している
が、同時に顧客のハートをつかむ最重要業務であるという認識に立
っている、この業務はサービス業に含まれるという認識である
この対応で見せる誠意いかんで工場の命運が決まるのである
これもまた事実として認識すべきであろう
手順としてはまず実務の業務分担表を各自で作成し、出来るところか
ら手を付け、習熟しながら徐々にやらねばならない課題に手を付けて
いくべきと提言した
しかし、実務は生き物のごとく変化していく、次々と発生するトラブルを
片付けて行く内、いつしか崇高な改善は後回しにされ、立ち消えに
なった
今でもこの考えかた、進め方は正しいと思うのだが、結果が出せなかった
ため、疑問符がついたままである
この手法がまとめの資料としては優秀である事は異論がないだろうが
アプローチとしてここから入るのは良くないというのが私の結論である
5Sという表面的にはどの会社でもやっている活動だが、成果という面で
納得できていなかった方は多いと思う
自分で出来なかった事をやれというのはおこがましいが、考慮に値する
考え方ではないかと思い、恥ずかしながら書いてみた
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