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そこを何とか

別のページで述べたが、情報システムはモデル化とシミュレーションの世界である
どこかで考え方をシンプルにしないと、現実世界をそのままリアルに表現するのは
難しすぎる
例えばリードタイム(部品を注文してから納品されるまでの日数)を常に一定に
するのが前提でMRPシステムは構成されており、そのため不具合が是正しづらいと
説明したつもりである
MRPだけでなく多かれ少なかれどんな情報システムでも存在する
ユーザーはそれを承知で結果を活用するのが暗黙の了解になっている
例えば昔のRPGで主人公が2等身になって表現されているが、だからといって
それを笑ってRPGに感情移入しないのは、しないやつが馬鹿なのである
要するにモデル化が現実に悪影響を及ぼさない良い結果をもたらすならば良しと
する、良いモデル化と認めるいうことである
しかし、ほとんどいいがここだけは勘弁してというケースが稀に発生する
例えば、経理システムで金額訂正は必ず伝票を起票して行うとした
訂正はほとんど起こらないはずだから経理担当も了解した
ところが、事務処理の手違いで何万件も発生してしまった
頭の固いSE(コンピュータシステムの設計者)は伝票を書けと迫る
ルールを自分から破るのかとなじる
そこで冒頭の言葉が出る「そこをなんとか」
SEはしぶしぶエクセルデータを読み込んで一括で金額訂正するプログラムを作る
という次第
若い時はこの「そこを何とか」処理はなぜ発生してしまうのか判らなかった
自分のSEとしての腕が未熟なのか、それもあるだろう、しかしなんか変だ
モデル化である以上、現実とのギャップを吸収する非常事態処理はある程度必要なのだ
と達観するまで暫くかかった
私馬鹿よね
私は自信家ではないつもりである、いつもすみませんと言いながらそこをなんとかしてきた
これが下手なプライドがあると作業を拒否する事態になる
もしあなたの会社にそこを何とかしてくれないSEがいたら、この文章をみせなさい
決してSEが悪いのではないということが判れば何とかしてくれるかもしれない


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