TOP 自分の思い 邪馬台国 バイク 瓢箪 霊場巡り 囲碁と将棋 CAD/CAM 生産管理 海外の思い出 索引

MRPの欠点

MRPシステムを導入しようとしたがうまくいかない理由は
だれも教えてくれない
そりゃそうだ、理論的に完璧で、それ以上がないのだから
うまくいかないからといって、どうしたらうまくいくか
判らないからである
現象面から書いてみると
1.MRP成立の3要素は
  @在庫管理が正確に出来ている
  A生産計画がシステム化されている
  B階層別部品構成表が維持されている
  であるが、MRPにかけると正確でないところがいたるところに
  あったことが分かる
  これをMRPを運用しながら徐々に精度を高めていきたいと
  誰もが思う、なぜなら他に方法がないからである
  一発で完全なデータを準備し以後も全くミスのない運用を
  タイムリーにできると考えるようならもはや人間ではない
  従ってこれらの3要素の精度を人間の力では維持できない
  このためMRPで計算された結果が使えず、ますます3要素、
  特に在庫がおかしくなり破たんする
  まずこのパターンで破たんするケースが多い
  例えば在庫がおかしいとする
  これを実在庫で入れ替えても正しいとはいえない
  なぜなら注文済みで納品されていない数量や、本来納品され
  ないはずなのに入ってきてしまった在庫等まで勘案して修正
  する必要があるからである
  そもそもそれが在庫がおかしくなった原因なのだ

2.生産計画の生産開始日が前方向に修正されると、使用する
  部品の内、手番割れ(リードタイムより短い日数)を起こして
  いる部品がダブり発注され、特に使用頻度の少ない部品ほど
  この傾向が強いため使えない部品が在庫の山になる
  生産計画が負荷自動計算されるタイプで頻繁に発生する

3.部品の改廃はその子部品にとっては生産計画変更と同様の
  計算をするため、上記と同様ダブり発注されたり、古い部品が
  在庫で残ったりする
  設計者からの改廃通知に問題が起きないように対応できない
  のである
  例えばリードタイム2週間の部品の改廃をしようとすると、2週間以降
  の注文から改廃が生きるようにするべきであるが、そもそもなぜ改廃
  するのかを考えるといかにこれが不合理かが判る
  設計者にとっては、今ある古い部品は全て廃棄し、即刻全数入れ
  替えたいのが当たり前の欲求のはずである

4.機械故障や昨今はやりの地震、洪水等により、部品供給に支障が
  でることが判った場合、製品にさかのぼって影響を調べる仕
  組みが理論的に作れない
  だから、サプライヤから問い合わせがあっても対応できず、生産
  ラインが止まる

5.その会社独自の細かな仕組みを入れ込むことが出来ない
  例えば、社内生産ラインで組み立てるときと社外ラインとで、
  納入する部品が違う(一部をアセンブリする)とか、顧客ごとに
  最終仕様が違う、しかもその都度違ったりする場合の生産計画
  が作れない等

TOP 次へ(解決策その1MRP3要素の精度向上)