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CAD機能強化
1次で導入したCADも2次で導入したCADもそれぞれ良い所が
あるが、反面欠点も多かった
特に設計していて気になるのは手書きでは簡単なのに、CADでは
時間が掛る部分であった
これを改善しないと作図効率が上がらないし、いらいらする
代表的なものをいくつか紹介する
ついでに手法も概略説明するのでやや数学的になるがご容赦願
いたい
・コーナーR
右図のように図形の角を丸くする機能である、直線同士では出来
るのだが、円弧ではできない
プラスチック成型品は車のバンパーやテレビの枠等を見て貰うと
判るように辺はわずかに円弧にするのが一般的である
直線にするとプラスチックの特性で変形してしまうのである
そこで円弧どうしをヒットし、半径を入れるとコーナーRを作図し、
更に後々のNCツールパス作成のために線分間を端点補正し、
つなげるコマンドを自動発生させることにした
後半のつなげる部分はCAM特有の概念でデザインCADでは必
要ない、あえて説明すれば、2点を通るコーナーRを作図しただけ
では小数点以下6桁〜8桁位の精度で誤差が発生し、円弧とつな
がっていない、これを8桁まで数字を合わせる作業と説明しておく
具合のいい事に2次で導入したCADは専用コマンドが用意されて
おり、2つの線分をヒットしどちらの線分を優先するか指示すると、
もう一つの線分の端点を補正してくれた
このCADの図形操作言語はヒットした線分に名前をつけることが
でき、更に新たに生成された線分にも名前を付ける事が可能だっ
た、このような言語の仕様を購入前に確認しておくのは私がプログ
ラマだったからであり、設計者では無理だったと思う
当り前なようだが自動設計の肝の一つである
前半の部分は円弧の中心座標をx1、y1、半径をr1とした時、軌跡
はx1の2乗+y1の2乗=r1の2乗で表されるから、同様にコーナー
Rの方程式とから、2つの式の連立方程式を解くことで交点が求め
られる、更にコーナーRと円弧は接するのであるから、方程式の2つ
の解の座標は1つでなければならない
またもう一つの円弧とも接するため、求めるコーナーRの中心は、
両方の解が一致しなければならない
この条件でx3、y3を求める事が出来る
計算して解を求めて見ると、2次元方程式なので解が2つ出来る事
がある、この内どちらが適正な解なのかを判断しなければならない
この場合は2つの円弧の内側にあり、かつ、最初にヒットした座標に
近い方を選択するとした
この「近い方」という考え方はこの後も結構使うことになった
個人的に「近傍配置」という名前で呼んでいた
連立方程式を解くなんてのは、大人で出来るのは学校の先生と私
位だろうと思ったら、金型工場の作業者は皆関数電卓を持っていて
当り前にやっていた
これには驚いたが、CADが無い現場では、寸法を出すのにやらざる
を得なかったのである
そこで、設計者に提案し、本来の図面の他に寸法図なるものを作成
し、参考に添付する事にした
それに使ったのが後で説明する「自動寸法」である
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