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海外の思い出4
日本食に餓える
海外勤務が始まり1週間ほど経ち、私は先に現地入りしていたメンバーの会話に
違和感を感じていた
休憩時間に日本の食べ物の話しかしないのである
最初は共通の話題作りと思っていたがどうも違う、既に何ヶ月もいるメンバーや、
海外暮らしの長いベテラン通しでも同じである
アパートの側のOXXという中華レストランのチャーハンは日本食に近い、ライスが
おいしいとか
パリの日本食レストランに言った話とか
最後は必ず日本食で終わる
精神異常者は自分では正常だと思っている、医者が適切に指摘するしかない
軽度であれば指摘するだけで治るという
念のため、日本食の話をしない日本人に確認をとった、それは通訳である
案の定、昔渡航してしばらくは同様の状態が続いたが、その方の場合は結婚して
いたので日本に帰らず、ずっと居続けたらいつの間にか消えたとのこと
食事に関しては体が味噌汁やつけもののダシを要求するというか、やたらと醤油
や味噌が恋しくなるのである、私も同様な症状が2週間ほどで訪れた
同宿の人が結構日本食を食べさせてくれるので、症状が出るのが遅かったようで
ある
自分で言うのもなんだが、海外へ赴任する人は経済的にも文化的にも上位の人の
はずである
それが食い物の話しかしないのは情けない、武士は食わねど高楊枝というではな
いか
これが違和感の原因であった
会社としては昼食の調味料に醤油を常備したり、家族で赴任してきた人は味噌を
配ったりしていたようであるが、不十分なようである
ベテランが言うには慣れるのに6〜10年かかる、慣れるしかないという
言ってる傍から日本食の話をしているのに自分は大丈夫と思っている
私がいられる期間は短い、自分はすぐに帰れるからいいが他の人を、せめてもう
少し文化的な話題で頭が回転するようにしてあげたい
慣れない私のためにいろいろ気を使ってくれる人達への恩返しになればと思った
思いついたのが趣味である
幸い会社に接待用のゴルフセットがハーフだが3点あった、アメリカではメジャー
な趣味だが欧州ではマイナーなためほとんどつかわれていないという
使ってかまわないと言うので、何人かを誘い練習場に行った
ゴルフ場もショートコース1500円、ロング2500円と手ごろである
下手は下手ななりに楽しめ、運動する事でストレス発散になる
おそらくこれ以上の対応策はないと直感した
もちろん日本人たちに本来の目的を言う訳にはいかない
しかし、流石は優秀な人達である、あるいは薄々自分たちがストレスがたまってい
る事を知っていたのかもしれない
積極的に参加してくれ、ゴルフ部みたいな感じになってしまった
ろくな仕事はしてこなかったが、これだけは成功だったかなと思っている
ゴルフ場ではサンドイッチ等日本食でないものを開拓した
彼らも英語はともかくフランス語は話せないため器用に料理を注文できなかった
のだ、大勢で出かけ、ついでに通訳もメンバーに参加してくれたので、いろんな
料理を頼みながらレパートリィーを広げたようである
相変わらず職場では日本食の話題中心だったが、抑圧するのはますます症状が
悪化するので放置した、すぐではなくてもだんだん別の話題が増えてくればと思い
つつ帰任した
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