TOP 自分の思い 邪馬台国 バイク 瓢箪 霊場巡り 囲碁と将棋 CAD/CAM 生産管理 海外の思い出 索引
瓢箪の制作
父が亡くなり、農業を始めて7年が経った
無我夢中でやっていた状態から、少し自分らしさを出して遊んで
見たいと思えるようになった
もともと米も野菜も市場に出しているわけでなく、自分で食べる分
だけなら形や品質にこだわる必要もない
そう思うと力が抜けて身が入らないのである
もっと前向きに希望を持って発展する方向で考えたいのだが、ど
うも気分が乗らない
そんなある日、種を購入しようと物色していると、瓢箪が目に付い
た
面白いから作ってみよう、幸い値段も187円と安い

うまく芽が出れば儲けものと思った
水を切らさないようにすることと袋に書いてある
毎日水をやるのでは畑に作ると水を畑まで運ぶのが面倒である
だから自宅の今は豚は飼っていない豚小屋の軒下に植えた

雨が降ると屋根の水が軒下から瓢箪の上に落ちてきて水をやら
ずに済むからちょうど良いと思った
残念なのは隣の家の陰で朝方日当たりが悪い事であるが、他に
適当な場所もないためここにした
土地は下図のように草ボウボウだが、そこは農業をやっている強
み、道具は全て揃っている

簡単に慣らして、20cm程深く掘り、肥料を入れてから土を掛け、
種を蒔いてから更に土を掛け上をならして水をまく・・・
この辺は他の野菜と同じ要領で程なく完了した

まあ最初の年はそんなにうまくいくはずはないと思い、10個のうち
2〜3個芽が出れば上々と思っていた
しかし10本全て芽を出し、順調に育ち始めたので却って慌てた

本屋で立ち読みして育て方を勉強しようとしたが、詳しく書いた本
がない、ひょうたんの事を本にしても売れないという事らしい
NETで瓢箪について検索してみるとあるわあるわ、ものすごく詳しく
出ている
NETというのは仕事のように金になる情報は載っていないが、趣
味については使える事が判った
既に種まきからして間違っていたことが判る始末
どうやらつるを巻きつける準備をする必要があるらしい
幸い竹藪はあるので、巻きつけるものを工作するのは訳はない
右図の様な竹の先端の枝をわざと残したものを数本作製した

これを豚小屋に立てかけると巻きつけ始めた

嬉しくなり毎日勤めに行く前に水をやってから出かけるのが習慣に
なった
後で聞いた話だが、瓢箪は芽が出るのは簡単だが、いつ発芽させ
るかが問題なのだそうである
出来るだけ早く発芽させ、実が熟すのを早くしないと皮が薄くなり、
完成品が軽くて華奢なものになってしまう
私が種を蒔いたのは他の野菜と同じ4月末だったがそれでは1ケ月
遅いのだそうである
とにかく初年度だし、まず経験を積むことと思い、細かい事は今さら
どうなるわけでなくとにかく継続することにした
徐々につるが伸びてとうとう豚小屋の屋根に届きそうになって、花が
さいた


ほどなく花が散った後に瓢箪の形が見えた時は嬉しかった
なんとなく先人が瓢箪を作る意味が判ってきた
要するに手間が掛るのがいいのである
それまでは、なんでこんなものをという思いが心のどこかにあった
食べられるわけでなく、飾るといってもそれまでが大変だし、第一自
分には画才がない・・・
しかしそれがいいのである
手間のかかる子ほどかわいいというが、愛着がわいてくる
この後も豚小屋の屋根につるを這わせる工夫をしなくてはならない
更に、収穫後中の種を取って、乾燥させ、表面に絵や文字を書いて
作品と呼べるレベルに仕上げなくては・・・
だんだん後に引けない気分になってきた
つるが伸びてきたところで竹の棒だけでは足りなくなってきた
思い切って豚小屋の屋根に這わせることにした
もしそれで足りなくなったら延長は出来ない
屋根にそのままでは瓢箪が屋根のでこぼこに合わせたいびつなもの
になってしまう
面倒だが再び竹を使って屋根と平行に30cm程もちあげ、しかも
間に瓢箪の実が大きく育つような台を作った
それには昔、蚕に使用したかごが役に立った

かごの写真の上の実が成った写真に少し竹の棒が見えるだろうか
この棒の上にかごを載せたのである
この写真は2年目なので改良してかごのかわりに100円ショップで
購入した網を乗せてある
こうしてできた瓢箪が葉が枯れ、つるが茶色になって実に養分がいか
なくなるのを確認して、収穫した
その先端をドリルで穴をあけ、中へ針金を差し込みかき回す
ドリルは対象がやわらかいので木工用の力の小さいもので十分である
少し、空洞ができたところで、土を少し入れる
<ドリル>1000円の安物だが柔らかいもので30分程度の使用なら
なんとかバッテリーが終わらずに終了できる

これは土のバクテリアで内容物を腐りやすくするためである
それから大きめのばけつに入れて水の中に完全に入るように、上から
重しをして1週間放置する
ちょうど漬物を漬ける要領である

これが瓢箪が軽いため安定が悪いと水の上に出てきてしまうため、何
度か位置をかえて様子を見た
瓢箪が臭くなり凄い臭いを出すので、家の中ではとても出来ない
農家のように離れた場所におけるのでないととてもできない
町中ではムリだと思う
腐らせ方は色々流儀があるようだが、私の場合は1週間で水を取り換
え、中のボウフラを追い出して、瓢箪のたねを振って少し軽くする
それからもう一度中に水を入れ、更にもう1週間放置する
中の種と水をどこへ棄てるかも、悩みどころである
昔、私のおじいさんは川の中につけておき、中身は川に捨てていたらし
い
今は川も整備され、変なものは捨てられない
畑を掘って穴の中にバケツの水ごと捨てることにした
バケツ3杯で合計150ℓなので結構大変だった
これを2週間目に実施した
こうして腐った瓢箪の表面のかわをザラザラな防水手袋で丁寧に落とし、
中の種を良く振って音がしなくなるまで出しきったら、乾燥に入る
乾燥にはつるを伸ばすのに使った枝のついた竹を使ったが、首のところ
でしばってつるしておくという方法もあるらしい
その方が中の水が乾燥して蒸発した水分が上に昇るので良いかもしれ
ない、この間も相当に臭い
完全に乾燥すると臭さがなくなるが2週間位かかる
こうしてできあがったのが下図である
写真を取るのを忘れたためニスを塗った後に撮影した

TOP 瓢箪の作品づくりへ