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詰将棋作者側の趣向
手筋ではないが、特殊な形を意識した詰将棋が存在する
こういった「縛り」はそれでなくとも困難な詰将棋創作を更に困難にする
私の様に全く作れないものには、正気の沙汰とは思えないが、数多く
作った人は、より上を目指すものなのかも知れない

・実戦型
指し将棋の終盤をイメージした形の詰将棋
例えば端に桂馬、香車があり、王が2二にいる等
一見見なれた形のため、解きやすそうだが、難易度は別である
(図18)佐藤大五郎九段作:2二金、同王、3四桂、1二王、3二龍、
同銀、2二金
この作品における王方の配置は全く実践そのものである
それが、初手2二金という一手で一気に解決に向かう
王方のいろいろな駒が利いている場所に捨て駒をするというのは
詰将棋的である
詰将棋は、実戦の訓練として発生したといわれているから、これが
本来の姿なのかもしれない
・桂つるし
桂馬に合いきかずという言葉があるが、それを具現化したもの
上の作品もそれに近い
比較的事例は多い
・4桂
桂馬4枚で次々に飛びながら王を追い詰めていく趣向詰め
昔に作られた作品だが、掲載された本がなくわからない、代りに
このアイデアを基にした作品として桂馬の4回はねを紹介する
(図19)若島正氏:1六銀、同桂、2四銀、同桂、2五金、同桂、
4六飛車、3七桂成り、2六銀
・小駒図式
使用する駒に飛車角を使わないもの、探すと意外と少ない事に
気づく
大駒を意外な場所に捨てる醍醐味はないが、細かい数手ひと組の
手順に味がある作品になる
趣向詰めの一つ「エレベーター玉」を例として掲載する(図27)
手順は面白い詰将棋を参照
・飛車角図式
小駒図式の逆で、飛車角だけで作る詰将棋
(図20)若島正氏:4五角、3四歩、同龍、1三王、1二馬、同王、
3三龍、3四歩、同角、1一王、1二歩、2一王、4三角成り、
同飛車、2二歩、1二王、1三歩、1一王、3一龍
・貧乏図式
金銀を使わない詰将棋、作品づくりでは大きな制約である
・昔は陰暦のため、年毎に月の数や大の月、小の
月が違うため、それを暗示する詰将棋が存在した
これを大小詰めものという
昔購入した本で読んだが説明されないと普通の詰将棋にしか見え
ない、ここでは事例は省略する
・端玉
王を4隅のいずれかに置いた詰将棋
たまたまそうなったのも含めて比較的事例は多い
・裸玉
盤上は王一枚だけという詰将棋、手掛かりがないので非常に難解
驚くべき事に何作か存在する
有名な作品として伊藤看寿の作品をあげる
裸玉にして、端玉である
(図28)伊藤看寿作:1三飛車、1二飛車合い、2二銀、同王、2三金、
3一王、3二金打、同飛車、同金、同王、3四飛、4二王、4四飛、
5二王、5四飛、6二王、6四飛、7二王、7四飛、6二王、
7三飛行成り、5一王、5三飛成り、4一王、7一龍、3二王、
6二龍引、2一王、2三龍、1一王、2二龍
・煙詰
裸玉の逆である、最後は詰みの最小単位である王と攻め駒2枚に
なってしまう詰将棋
最初に全ての駒を使用し、最後が煙詰というのが理想だが非常に難
しい
・文字型、模様型
作品が文字や模様に見える詰将棋、文字では数字が多いようである
他に唐草模様や四角、ひし形といった形が考えられる
ここでは「十手詰め」を紹介する
詰将棋は必ず奇数で詰め上がる、もし偶数詰めが出来れば快挙である
そこへこの詰将棋、当時は話題になったらしい
(図23)ペンネーム鳥九氏作:7五金、5四王、5六龍、同桂、5五金、
同桂、5三桂成り
詰将棋パラダイスに紹介されたが、7手で詰んでしまう、10手ではない
という
10手でなく時代劇に出てくる「十手」なのよというジョークらしい

・あぶり出し
詰み終わった形が文字や模様になっている
若島正氏の著作盤上のパラダイスでは章毎に0〜9までのあぶり出し
型詰将棋が載っている
ここではその内の「2」の文字を掲載する
興味ある方は本を購読願いたい
(図21)若島正氏作:5五飛車、同王、4七桂、同馬、5四馬、同王、
4四銀右成り、5五王、6七桂
・のこぎり図式
攻め駒が上下や斜めに移動する手順、簡単な事例を示す
(図22)作者不明:図は詰将棋ではなく参考図である
図から6三馬とすると9一王、6四馬とすると8二合いしても
9二歩、8一王、6三馬、7一王、7二馬まで、8二で横に利
く駒を合い駒すると、同馬と取られて、同銀9二合い駒(飛
車か金のはずなので)8一王、8二合い駒となる
また歩以外の持ち駒で前に利く駒があれば、図から7二馬
9一王、9二OOOで詰む、桂馬ならば、図から7二と9二王、
8四桂、同銀、8二馬で詰む
そこで、馬の王手に対し、8一と9一を往復し、その間に馬
は6三、6四、5四、5五・・・と少しずつ移動し、3七桂馬を
取りに行こうとする
しかし、3六まで来たところで7二歩と合い駒されたら同馬
としなければならない、そして再びのこぎりの歯のように移
動しを繰り返す
最後は歩が無くなり、遂に桂馬の入手に成功すると、再び
6三までのこぎりを逆に戻って、22図の状態にしてから、
詰ませにかかる
長手順の詰将棋を作ろうとする場合の一つの手段である
この例は何手だろう、駒余りだが200手詰めくらいかな
のこぎりには、馬を使う場合と、龍を使う場合がある
龍の場合は縦か横に移動していくことになる
・全駒使用
裸玉の逆のしばりである
詰将棋に使用する駒は必要な駒だけを置くと言うのが美学
である
これはルールではないため、昔の詰将棋では飾り駒というの
も存在した
もし必要な駒しか置かないとするなら、全駒使用は必然的に
長手数になる
例外として、図25がある、詰め手順は載せないので挑戦し
てほしい
ヒント:王方の合い駒は余り駒全部とあるが、全部を使い切っ
てしまえば残りはゼロとなる
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