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MRPがうまくいかない理由

生産管理パッケージを選定する場合、有名製品は全てMRPを基本にした
構成になっている
しかし、つい10年程前までMRPシステムを導入したがうまくいかない失敗
事例が多発した
私は実践から遠ざかったが現在でも、新システムに入れ替えたいがMRPなの
で自信がないと悩む生産管理マンは多いと推測する
なぜ失敗するのかどうすればうまくいくのかについて、持論を展開する

1.なぜ猫も杓子もMRPなのか
  MRPシステム全盛となる以前は、手作りで自社の生産管理のやり方に
  あったシステムを作り、仕事の仕方の変化に合わせて変更しながら
  使ってきたのが主流であった
  自社の生産のやり方で代表的なのが、製番方式と呼ばれるやり方であった
  製番方式は製品をロットと呼ばれるまとまった単位で生産し、そのための
  注文もロット単位で行う方式である
  コンピュータが未発達で紙の手渡しが中心の情報伝達では、単純で誰でも
  判るやり方が混乱がなく好まれる
  コンピュータによる管理が進んでも、この方式が廃れなかったのは、人間の
  スピードや理解力に合わせたやり易い方式だったからと思う
  この方式の弱点は小ロット化の推進に追従しようとすると比例的に情報量が
  増え、トヨタ生産方式の謳い文句である「1個流し」はほとんど追従不可能と
  なることである
  特に小ロットとなってからの生産順番の変更は追従に混乱や誤解を生じる

   MRP以前の代表的やり方のもう一つがアメリカ等を中心に行われていた
  発注点方式である
  製品と部品の管理を分離し、部品の管理では在庫と消費、供給というとらえ
  方をする
  在庫が減っていく量を見て、注文を出す、このとき注文してから納品される
  までの時間をリードタイムと定義し、その間の消費を見込んで発注すれば、
  在庫は適正に管理されると考える
  この方式の利点は理論的に製品のリードタイム(注文を受けてから納品する
  までの日数)を最終ラインの組立日数だけに出来ることである
  部品は全て在庫であることが基本思想となっているからである
  この方式の弱点は、部品消費のスピードを考慮していないことである
  このため、部品の消費変動が激しいと最も急な状態を想定して在庫して
  おかなければならず大量の部品在庫が発生する
  消費の予定に合わせて注文が出来ればほとんど在庫ゼロで対応できると
  思われる
  MRPシステムは生産計画を基に、製品を構成する部品が先々どのように
  消費されるかをコンピュータで計算し、部品特性に合った注文の仕方を
  設定しておくことで自動的に注文情報を作成する仕組みである
  コンピュータの計算能力は非常に高いので、小ロットになっても、また細
  かな変更でも正確に対応できる
  いわば製番方式と発注点方式のいいとこどりをし、更に変更対応も自動化
  できる最良の方式なのである(そのように生産管理マンには映った)
  もし反対しようものなら、代案を要求されるが、理論的にこれを上回ることは
  できない、ましてシステム化まではとても出来ない
  だから、いまだに生産管理システムといえばMRPなのである

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