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製品の特質
 
特殊な設備
 特殊な設備を必要とする製品がある、またある程度時間を置かないといけない
 ものがある、例えば鉄の精錬のように巨大な溶鉱炉で精錬し、その後は長い
 ベルトコンベアーで徐々に冷やしながら圧延していく製品がある
 また醤油や納豆の様に発酵させるため数時間や数日寝かせる必要のある製品
 がある
 燃焼する製品では、最終検査で実際に燃焼するか確認することがある
 このような特性があると、生産形態はある程度限定的になってしまう
 しかし、これが盲点となって画期的な生産変革に後れを取る例が稀に生じる
 生産管理マンとして日々の小改善に軸足を置きながら、油断なく生産革新の
 チャンスを狙うべきである
 金型を例にとれば古くはNCタレパンの登場がある、これにより少数の製品な
 らば金型が不要になった
 車のバンパーが金属のプレス品からプラスチックの射出成型品に変った時、
 プレス屋がつぶれた
 最近では、3Dでプラスチックを固形化する装置が実用になってきた
 30年前から話は聞いていた、試験導入しようかと検討した事もあった
 しかし、当時はコンピュータが遅くて容量も小さく3Dモデルを作成するツールも
 貧弱で実用的でなかった、結果として極端に遅くて能力や品質が悪かった
 ようやく条件が整ってきたのかもしれない
 実用化すれば特定分野では金型が不要になる

大規模設備
 上記製鉄もそうだが大規模な設備で生産している製品がある
 もともとは小さな設備で細々とやっていたものも、競争に勝つために大規模に
 なってしまったものもある
 私の知る代表的な製品にトイレの便器がある、昔は陶器を焼き、その上からつや
 つやになる溶液を塗る作業だったとおもう、私の家の便器はその溶液が剥がれ
 中の赤色の陶器の部分もレンガのように崩れていたのを覚えている
 今は粘土をこねてからうわぐすりを塗り、焼いて冷やした後、製品になるまで工場
 の中で長いコンベアーで一貫生産するらしい、テレビで見た事がある
 推測だが昔は冷やす工程や乾燥させる工程は倉庫にためておき別工程でやっ
 ていたのではないか、そう考えるのが自然である
 巨大な設備はメリットとデメリットがあり、莫大な投資を必要とする
 いわばシェアトップ乃至は上位の戦略である、生産管理マンとしてはあまり魅力は
 感じないが、羨ましくはある
 大規模設備の欠点は融通がきかないことである
 新しい製品や少量の注文は対応できない、そうなる前に圧倒的に安く品質の良い
 商品を提供し、顧客に贅沢を言わせないようにできる事が成立条件と思う

陳腐化・鮮度
 製品には「生もの」というジャンルがある、しかしどんな製品にも鮮度がある事は
 理屈では判っていても、なかなか行動には移せない
 金属製品は比較的時間による品質劣化が起きない方だが、それをいい事に
 多量の在庫をし、まとめ生産を行うのは鮮度の認識が甘いと言わねばならない
 在庫に関してシミュレーションしたことがある
 一般論として何時幾つ注文がくるか判らない商品は在庫を持つ事で生産が安
 定するという、本当にそうか過去一年間の注文データを基に、在庫が一定にな
 るようにして生産してみると、かえって在庫が無い方が生産の波が少ないという
 結果が出た
 いやそれは間違いだ、在庫は変動してもいいんだと言う人がいたので、その人
 の流儀で生産計画を立てようとすると、矛盾が生じてどうしても一定のルールで
 は生産できない、そりゃそうだ、ある時は少なくまたある時は多く在庫を持つの
 に何時幾つ注文があるか判らない状態では判断ができない
 結局営業情報をたよりにするしかないのに、それがないのだから支離滅裂に
 なるのに決まっている
 どんな製品でも在庫を持った方が良い製品と言うのはないのである
 お客の立場で考えてみれば一目りょう然なのに、一般論にふりまわされて、事実
 を見ようとしない
 結論的に言えば、在庫は持ったとたんに陳腐化しているのである

大きさ
 製品や部品の大きさは生産の方法の大きな制約条件になる
 分岐点として、
  人間の目で見えない、           1/10mm以下
    見えるが人間ではつかめない、    10mm以下
      人間が加工できる、         10mm~1m
        人間には持てない、       1m以上
          移動できない、        10m以上
            加工できない       100m以上
 といった感じになる、人間に扱えるかどうかが一つの分岐点と思う
 製品以上に大きい部品は無いが、製品が小さいと部品が人間に扱えない大きさ
 になったりする、例として携帯電話がある、製品は扱える大きさだが、部品はネジ
 一本でも扱いが難しいものが多い

汎用性
 製品が市場でどういう扱いになっているかで生産方法が影響を受ける事がある
 特別注文が当たり前になっていれば、お客の近くに最終工程を置くと言った
 ことが考えられる
 汎用品で値段でシェアが決まるような製品は人件費の安い国で作り、輸入する
 といった方法がある
 実際は同じ製品でも、ちょっとしたバランスの変化でこの2つの形態をいったり
 きたりすることがある
 衣料品等はその良い例である
 例えば、同じシャツでもユニクロの様に海外で大量生産する製品があれば、別の
 メーカーはお店のその場でお気に入りのペイントを入れてくれる
 両方が商売として成立している

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