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顧客との力関係
納期
別にあんたでなくてもいいんだよ、他から買うよといえる市場では顧客の
言い分で納期が設定される
大抵は「今すぐ」である
だから生産者は予め顧客が買ってくれそうな品物を在庫で用意しておく
しかし顧客は贅沢だ、他の人と同じ品物では満足してくれない
そこで売る寸前でお客の要望を聞くふりをしてちょっとだけ標準からずれ
た製品を用意する
多少でも生産者の言い分が通る場合には納期は長くなる傾向にある
「麺は打ちたて茹でたてがうまい」と書いておき、注文から納品まで時間
を貰う蕎麦屋がある、このワインは現地直送ですといって一週間待たせる
等は良く聞く話である
品物が大きい場合や、注文生産の場合はほぼ完全に生産者の言い分で納期
が決まる、舟や家、列車、橋等結構多い
納期は顧客との力関係だけで決まるものではないが、最も大きい要因であ
る事は間違いない
まとめ量
小さな商品でまとめて使う場合でも、顧客にとって量はいつも一定という
事はほとんどない
だからまとめ量を生産者が決めると言う事は、顧客になんらかの不具合が
生じている
背広を2着で20,000円の所15,000円という場合、顧客が大喜
びしている姿は浮かばない、やはり妥協であろう
まとめて売ると安くなる事はある、品物は安くはならないが、営業経費や
物流費等の間接費は安くなると思う
大量に生産すれば製造コストが下がるというのは間違いではないが、大げ
さな表現である、製造コストの内量産効果の得られる項目は全体の数%と
いった場合は珍しくない、私の経験した製品では100台作るのと100
00台作るのとで3%しかコストが下がらなかった
また、冬しか売れないセーター等売れ残りが保管費用に発展する場合
も考えられる、だからまとめて捌いてしまえという発想は営業的である
生産者の側の一方的な言い分でまとめて買わされている商品は結構多い
ハンバーガー店のポテトフライ等何本ですかというセリフは聞いた事が無い
そのまとめ量が顧客との妥協点を見出すことができればいい
しかしそれに安住してはいけない、ライバルははそこを狙っている
汎用性
発展途上の製品ではしばしば汎用性の無さが顧客の問題点となる
例えばフロッピーディスクがそうだったし、最近のメモリーディスクも同様
である、2GB以下の容量しか使えない携帯電話やパソコン等がまだあるが、
市場では4GB以上の製品しか売っていない
作って売る側では別の問題が起きている、要するに儲からないのである
汎用性が高いという事は、いろいろなメーカーが同じものを作っているとい
う事であり、差別化要因は価格だけになってしまうからである
結果として自動化で大量生産する事になり巨大な生産設備を先行投資し、償
却した設備で安く売るというパターンになる
こういった業界は儲けさせて貰えない
市場規模
顧客の人数が非常に少ない世界では大量生産が出来ない
例えば竹細工などは人間国宝と呼ばれる人たちが製品を作り、飾り物として
買っていく人がいる
昔は生活の道具だったから、沢山作っても商売になったが、今は保護しないと
商売では作り手がいない
これは極端な例だが、自分たちで気づかない内に人間国宝になっている
のは悲劇である
常に大勢から求められる商品を作り続けたいものである
市場規模が生産形態に与える影響は非常に大きいと思う
大量に永久に作り続けられるなら、生産方法はどうなるのだろう
業界の特殊性
商品の特殊性あるいは業界の特殊事情というのがある
国の予算の関係で決算期の直前が一番忙しいとか、食料品なので作ってから
一日以内に売らないといけないといった事である
このために生産方式が大きな制約を受けている業界は結構多い
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