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NC加工の無人化

CADCAMの説明でも述べたが、NC機はプログラムで工具を自動で操作できる
装置である
操作者は図面を見て原点からの座標と工具の種類(ツールボックスに20本程度
セット出来るようになっており、その番号を設定する)を指定し、ドリルであれば、
回転数と縦方向の動きを設定する
そのプログラムを紙テープやフロッピイに書き込んでNC機に読ませるとその通り
に動く
その設定を図面から座標と穴径を読み取り、自動的にプログラムを作ってしまお
うというのが、大まかなCADCAMの手法である
しかし実際にやってみると、図面の穴の種類が予想外に多く、また今回は加工
対象から外す穴形状も多数出てきて、うまくいかない
ツールボックスは20本とすると、ネジ穴1つで3種類のドリルを使うし、ピンの穴
でも2種類使う、すると加工できるのはせいぜい7~8本である
更に深さ方向がまちまちなので平面図だけでは指定できない
等々の問題があり自動化出来ない事が判った
また人間が図面を見ればネジ穴とピンの穴は表記が違うから判るのだが、自動
でプログラムしようとすると同じ半径の円から判断しなければならない
更に製品形状の一部としての円は加工しなくてもいいし、ガイドピンの穴はNCで
は空けられないため、加工しなくて良い
これらを「自動化」するにはどうすればよいか
加工対象の穴の種類を減らすには、原点である設計の仕事の仕方から変更し
なければならない
つまり、ネジ等穴形状の部品の種類を減らさないとツールボックスの工具を交換
しながら加工することになり、その都度機械が止まり、加工ロスになる
設計を巻き込み、この部分を説得し、それまで50種類あった標準ネジを5種類
に、200種類あったピンを10種類にし、かつ一枚の図面に使用する種類を制限
することで無人運転を可能にした
種類を減らすと最適な部品が選べずかつ大きなネジ等を使うことになるためコスト
アップになるとの指摘もあったが、ロットサイズも勘定にいれて計算してみると、
ネジ加工が楽になるだけでなく、ネジ自体も同じものをまとめ買いできるため、か
えって安くなることが判った
図面表記もパターン図形をヒットするだけで描けるようにし、なおかつそのパターン
に穴の種類の情報をもたせることで図面作図の効率化も実現
こうして上記問題全てをクリアした
徐々に標準化し無人化達成に2年かかった
次に、形状加工の無人化に取り組んだが、これは難しく完成しなかった

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