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板厚変更

次の事例は、材料板厚寸法の変更である注文
材料手配を担当していた人が病気になり、それまで設計にいた
私に急きょ材料手配も合わせて担当するように指示が下った
開発をやりながら、CAD運用を行い、更に手配もやる、大きな
会社なら考えられないだろうが、一人何役もやるのは小さな会社
では当たり前である
しかしこの時ばかりは頭がおかしくなりそうだった
あまりにもジャンルが違いすぎて、一緒にやることができない素材
仕方ないので時間を区切って、3つの仕事をそれぞれ別の部屋
でやるようにした
材料を設計の図面を基に材料業者に発注するのだが、ある日
コストダウン要求をしたら、業者から逆提案があった
材料の注文をすると畳のように大きな素材から材料を切りだし、
フライスという金属の表面を平らに切削する機械で寸法を出して
から納品するのだが、切削量が多いと時間もかかる
素材の表面は長期間放置されているため錆びてでこぼこしてお
り、少し余裕をみて厚めの板から切削しているが、これをギリギ
リにすれば、切削時間を短縮でき安く出来ると言う
素材はほとんどの場所はたくさん削らなくても大丈夫だ切削幅 とのこと
時々深く錆びている場所があるため余裕を見ていたらしい
もし錆が残ってしまったらそこだけ自社で深く削るか使用しない
ようにすれば良い
板厚を当社が注文していたものと新標準を比べるととこんな感じ
になる
変更するためには設計者に納得してもらわねばならない
設計者に説明すると快く承諾してくれた
設計係長が念のため出図時に確認し、旧基準であったら設計変新基準
更させるとまでいってくれた
私が材料手配に回った事を受け、激励の意味もあったと思う
CADのコマンドで新たに板厚を追加し、自分の欲しい板厚を入力
すると新基準の板厚と旧基準に比べていくら安くなるかを表示す
るようにした
右図の寸法表を見れば判るように、強度計算をして例えば20mm
と出たら、24mmの方が安いよと表示されるのである
強度が上がり安くなるのなら、設計者に異存のあるはずはない
従来は単に区切りが良い寸法にしていただけなので一見中途半
端な寸法でも設計上はロスはない
そう断言できるのは自分も設計をしているからである
これは設計者も工場全体のコストダウン活動にダイレクトに貢献
している事がアピールでき、非常に喜ばれた
このように、経営的ニーズと設計手法とを結び付けるような改善は
CAD活用推進のアピールになり、私にとってもメリットが大きかった

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