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ライターの機能

100円ショップでライターを買った
母が線香を毎日あげるためである
ところが硬くて使えないという、確かに私でもやっとという硬さである
ニュースで子供がいたづらで使用し火事になったため、対策として
子供では使えない硬さにしたのだという
しかし、我が家には子供がいない、代りに子供と同じ程度の握力し
かない年老いた母がいる
私はタバコを止めたので昔使っていたライターを母にくれたのだが
それもついに最後の一個が無くなり、新しいのを買ったらこの始末
である
母はついに諦めて今は昔ながらのマッチを買って使っている
毎回軸が残るので始末が大変だが火が付かないよりはましである
こういうのを何と言うのだろう、ことわざに出てきそうである
確かに子供は好奇心旺盛で、いうことを聞かない子供もいるだろう
でもそんなことをいったら台所など危険が一杯である
包丁、箸、フォーク、ガス、オーブン・・・
学校に通う途中にも自動車、自転車だけでなく、建てつけの悪い商
店のガラス戸、斜めに貼りだした棒、垣根の枝・・・
同じ程度の危険を挙げろといったら上記も含め100や200は簡単
に挙げられる
なぜライターだけがやり玉に上り使いものにならなくなるまで改悪さ
せられたのか
そういえばアメリカの禁酒法と言うのもあった
私が違和感を持つのは、ダメの本質でなく頓珍漢な部分を変更して
いる事にある
いたづらをする子供は極少数であることは新聞のニュースで判る
効率を考えればライターでなく子供を直すなり隔離するべきである
人間性の尊重とか、わが子かわいさとかいろいろ理由はあるのだろ
うが、人間でなくモノを直さざるを得ない事情があるのだろう
しかし、やってることがいかにみじめか・・・
将来歴史で今の時代を評する時、馬鹿の象徴として取り上げられる
のは明白である
出来得れば発掘等でスプリングの付いた状態でライターが見つかっ
て欲しくないと切に願う
現在は科学技術、特にセンサーを使用した認識技術が格段に進歩
した時代と思う
玄関に近づくと自動的にライトが付いたり、人が座るとヒーターにス
イッチが入る椅子があったり、商店でドアが自動で開くのは最早
開かない方が不思議なくらいである
だからライターも子供が持つと自動でロックが掛ったり、人によって
最適圧力や火の勢いを変えられたり、登録者以外が持つとアラーム
がなる程度なら簡単にできる
100円だからやらないだけで、自転車等値段の高いものには過剰
ともいえるセンサーの仕組みが付いている
私のバイクなどはキーレスエントリーである
私以外の人ではスイッチが入らない
こんなバイクが当り前の様に販売されるなんて誰が想像したろう
折角世の中に技術が存在するのに使わずに、あほな方向に改悪
したことが私をこんな気持ちにさせるのだと思う
馬鹿丸出しの要求を恥ずかしげもなくする輩がいるのは、今も昔も
変らない、ガリレオだって「それでも地球は回っている」とつぶやか
ざるを得なかったのである
技術者はそんな逆境を乗り越えなければならないのである、一緒に
馬鹿をやってはいけない、愚かな人々に光を射すのは自分だとプラ
イドを持ち、歯を食いしばって馬鹿に逆らうのが本当の技術者では
ないのか
スプリングの強くなった使いたい人が使えないライターを作らざるを
得なかった技術者の苦悩、そんな技術者をこうして罵倒しなければ
ならない私・・・、悲しい



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