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その他の囲い
変則的な囲いをいくつか紹介する

１．ミレニアム囲い
　　穴熊では藤井システムの角道に直射するため、三浦８段が考え出した囲い
　　変則的と言っては失礼か、なにより希少な郷土出身のＡ級棋士である
　　あまり棋戦で指されないのが残念と言っておく


２．地下鉄飛車
　この囲いは攻めと一体のため、全体を示す、相手が穴熊の場合に端に攻めを集中する
　昔角田８段が得意としていた、当時は玉頭銀戦法と呼ばれた
　ここから飛車が９九で移動して一気に攻める
　バランスが良く私にとっての理想形の一つ、手数がかかり、囲いとしては弱いのが難点


３．流れ矢倉
　これも変則と呼んでは失礼な囲い、中央への厚みを重視した囲い
　矢倉というより対振り飛車で出てくる

４．雁木
　王が２つあるのは間違いではない、この両方の位置のいずれかに王を置く
　３八にあるのは飛車落ち定跡の場合であるもちろん２六歩は２七であり飛車はいない
　私が使用する場合は一旦振り飛車と見せて相手が２段目に上った瞬間に２六歩と
　つき、以後はこの形に組むというもの、陽動振り飛車の居飛車版である
　そのばあいは王は６九である


５．早囲い
　　振り飛車で美濃囲いでなく１手早く囲いたい時この形にする
　　４九金に王以外紐が付いておらず、その分弱いとされる
　　振り飛車版舟囲いである、持久戦になったら駒の進展性は高いので、とにかく相手の
　　攻撃を迎え撃つ体制をみせてけん制し、持久戦に持ち込む高等戦術である

６．升田美濃
　早囲いから金を銀で紐を付け、飛車角と金銀４枚で相手の攻撃を迎え撃つ
　逆にこちらから飛車先の歩を交換し、更に角道を開けて角交換を強要し、振り飛車側から
　攻勢に出るための布陣である、私の得意形の一つ
　ただし、一旦受けに回ると守りが弱いので大駒交換後は一気に寄せきる必要がある

７．坂田流向い飛車
　この向い飛車は急戦である、相手の体制が整わない内に攻撃する
　そのため囲いは最小限に抑えたい、それがこの形である
　贅沢言えば２七の地点を守るため３八王と上がりたいのだがそれさえ省略する

８．銀田伝
　２枚落ちの下手の形で、必勝法の秘伝といわれた
　平手ではこの形に組ませてもらえないためなかなか現れないが良い形と思うので
　覚えておいて損はない、要は応用である
　最近では急戦矢倉の中飛車戦法で似た形になる
　もちろん４六銀などと悠長には指さない、玉も居玉が多い

９．中住まい
　相居飛車で飛車先交換型の場合、角と飛車の交換になっても打ちこみの少ない
　形が求められる
　そこで王を中央に置き、金を左右に配置して打ちこみを消す
　しかしやってみると判るが、どちらかの端が破られると、王が反対側へ逃げずらい
　金銀が邪魔なのである

　そこで金を１段に下げた改良版が考えられる、しかし手数の割に固くならない

　中原名人が相居飛車で使用した囲いはシンプルだが中住いより固いというので
　一時期流行した
　角交換した後も良形である、なおこの形から飛車が２筋を離れると２八に角の
　打ちこみが生じるが、手数を掛けて桂馬と香車を取らせるのが先手の罠である
　角を打ちこんだ側の勝率が悪いことから明らかになった
　中原名人の天才を感じる話である

１０．３段目王
駒落ち将棋の場合、攻めも守りも駒が不足するため、歩を突きその下に金銀を配置し、
不足分を王で補う、そして攻めは金一枚で突進する
平手には無い発想だが、居飛車で振り飛車を抑え込む場合に似たような将棋を見た事がある
確か灘９段だったと思う、金銀の配置にこれといった決まりはない
平手将棋の場合、飛車角交換を拒否しながら振り飛車の飛車を振った方向へなだれ込み、
入玉形を目指す


その他にも悪形ではないが珍しい形というのがあるが、なかなか実戦では現れない
また、美濃や矢倉の変化は代表的なものであり、細かなバリエーションはまだたくさんある
応用を考え自分独自の良形を目指すのも良いかもしれない


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