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受注とのひも付き
お客さまからの注文がある程度まとまってある場合、生産ロット
サイズとお客様注文数との関係をどうするかというのは、注文
から納品までのいわゆるリードタイムと生産効率を考えると難し
い問題である
リードタイムが極端に短くなればお客様要求どおり生産し納める
しかないため、かえって単純である、効率を度外視するしかない
しかし、現実では効率を度外視することはあり得ない、常に泳
げる範囲で効率を追求するしかない
そうしてある程度まとめて生産する際にそれは誰の受けた注文
なのか、あるいは注文のまとまりなのかを判るようにしておく
これが紐付き管理である
このような半分見込みで生産し、半分は受注にするようなことを
始めると以下の様な非常に難しい問題が発生する
1.受注の取り消し
直前になってキャンセルがあった場合、その分は見込み生産
に変化するしかない
お客に引き取ってもらう等と屁理屈をこねるのは工場出身の
営業現場をしらない管理職だけである
あのトヨタでさえ販売計画の誤差分は営業責任で売りさばくの
である
そのためには、お客が多少の値引きで買ってくれる良い製品
でなければならない
2.顧客仕様部品の始末
例えば表面の塗装がお客様指定の場合、他のお客に売るに
は違う塗装の表面を付け替える必要がある
部品にバラして転用する場合も専用部品は余る
部品共通化といっても専用部品は必ず存在する
そうでなければ製品の識別にならない
この専用部品の余りをいかに少なくするかが工夫のしどころ
である
3.キャンセル部品の再引当
これは要するにMRP計算の手動化である
製品の種類、部品点数の多い場合はコンピュータシステムに
特別なロジックを組み込むしかない
抜本的解決策は、生産リードタイムのリアルな短縮である
見かけ上生産リードタイムを短縮することは今では一般化して
おり、この記事に興味を示すレベルの読者ならば簡単なことと
思う
しかし、ネック部品を一つ一つリードタイム短縮を実施していく
ことのなんと困難なことか
かっての半導体の様に、供給不足からリードタイムが伸びてし
まったり、鉄板の様に自動車メーカー優先で割り付け、他には
お余りをリードタイム3ケ月でしか供給しない業界もある
生産計画マンが設計者に直談判したり、鉄鋼メーカーに社長の
お伴をしてお願いに行ったりするのである
たかが受注との紐付き一個でなぜここまでと思う
簡単そうで奥の深い問題である