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一個流しを生産計画で表現するには

従来のロット生産型の生産計画システムで1個流しをシミュレートし、
なおかつその結果を表示して関係者に知らしめるにはどうすればよいか
当時、私の開発した生産計画システムはガントチャート型だったので
大いに悩んだものである
大学の権威の先生にも相談に行ったが、細かい問題なので適切な
回答はもらえなかった
結果として以下の様にした
何のことか判らない、興味がないという人は読み飛ばしてください
この知識が必要な人は日本に数人と思う

一個流しをランダムにどれが流れるか判らないとするのでなく、製造部門
の了解を得て、規則性というか制約を持たせることにした
最初に流す内容を製品A、製品B、C、D、Eとし、4〜6種類ぐらいのどれ
かに限定する
これの組み合わせを決める(例:AABCDEE)
それを繰り返すのである。繰り返す回数をロットサイズとして使用する
生産ラインをXとしたときに、擬似ラインをX1,X2,X3,X4,X5とし、
AをX1ライン、以下BをX2・・・とする
負荷計算はX1ラインのみで行い、Aの日産数は2/7に落とす
次の一個流しのロットをGBBDEHHとした時に同じくGを1/7に設定し
X1ラインで流し、以下BはX2・・・として割り振っていく
X1ラインの計算結果で、対応するX2のBの生産開始日を合わせていく
X1以外は手動設定なのが玉にきずだが、何とか負荷計算でき、表示は
X1〜X5までを合体して生産日順に表示すればもっともらしい表示が出来る
他社では座席予約型で表示し、生産順序を手書きしてからコピーしていた
なまじ凝った真似をせずその方がおりこうさんかもしれない
しかし、兎にも角にもデータとして持たないと本来の目的である部品加工の
平準化に繋げられない
私の興味も次の段階である部品注文量の安定を週あるいは月単位で実現
する方向に移行した
注文の前に業者別に連絡し、事前準備を促すことでマクロな効率化生産を
狙ったが、下請法に抵触するため挫折した
トヨタでは下請けは皆大企業(年商3億円以上)だが、私のいた会社の取引
先は小さな所が多く、事前に情報を見せると見せた分を引き取る義務が
発生するらしい
取引先からは私の事前情報は非常に好評であり、見せられなくなった旨
説明すると憤慨する人が多かった
確かにその人たちも事前情報と大幅に違った注文が来た場合は困るとは
いっていたが、例外事項としてその場合はどうするか会社間で取り決めて
おけば事前情報はあったほうが良いに決まっている
本来の目的である関係会社を巻き込んだ効率化生産の実現は、方法論と
しては今でも正しかったと確信している

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