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変動費

お客から受注する際に売値をたたかれて採算が合わないのでお断りするというケースがある
一方で採算が合わなくてもその金額で受注し、一生懸命やってきたらなんとか赤字から脱却
できたという話を聞く、有名なスーパーマーケットの社長さんの成功談である
一生懸命の中身はコストダウンだろうと深く考えなかったが、どうやらそうでないらしい事を
知り、不思議だったが、会社で管理職になり、経理の報告を聞かざるを得なくなり、ようやく
理由らしき事が判った
私は経理は全くの素人なのでこの推測があたっているかは未だに判らない
ABC会計とかいう考え方を勉強した時にもしかしたらと閃いた内容である
友人の経理マンに確認したが、ど素人のたわごとと思われたらしく回答は無かった
前置きが長くなったが、本題に入る

ある品物の価格の構成が、売値100円、利益20円、物流費20円、固定費20円、変動費
40円だったとする、これを100個売ったとする
変動費とは、材料費、組立費等1個作るのに比例して増加する費用である
固定費とは品物の生産数や販売数に関係なく一律に発生する費用、例えば社長の給料、
事務所の家賃、業務車両のリース費等である
経理的な視点では、売れる数に比例して変動するから変動費で、ほぼ一定だから固定費と
考えるのだろう、私の様な現場にいた人間からは逆に、一つ作る度に一定の費用が発生する
ので変動費は固定費と呼んだ方がすっきりするが・・・
ややこしくなるので不肖ながら経理の呼称で行く
話を戻すと100個売ったので売り上げは10000円である、利益、固定費は2000円、変動費
は4000円である
この商品をお客から200個買うから10円まけろと言ってきたらどうするか、利益を考えると10
0個と同じ利益なので、値引きに応じないで100個売った方が苦労しないで同じだけ儲かる事
になる
しかし正解は数多く売った方が余計にもうかるのである
原因は固定費にある、経理部門は固定費をどう算出しているかというと、年間で掛る固定費
全額を販売個数で割っているのである
販売個数はどうやって出しているかと言うと、昨年度販売実績を使用している場合がほとんどで
ある、営業部門の多分今年はいっぱい売れるだろうなんてあやふなな数字は使わない
当然年間で発生する固定費全額も昨年実績である
極端な話、昨年の固定費が100万円で販売総数が10000個なら一個当たりの固定費は100
円である
実際は個数だけでなく単価も加味しているが原理は違わない
つまり、今年の売り上げが昨年の2倍になるならば固定費は一個当たり20円でなく10円になる
だから沢山売れば固定費が安くなる分利益が出やすくなる

固定費の比率が高い会社では、仕事量の少ない事が儲からない原因である
解決するには
・仕事の変動を少なくし、多い時に合わせて用意した設備の遊休率を少なくする
・今まで固定費扱いだったものを変動費扱いにする
とよい
2番目が難しそうなので例をあげて説明する
代表的なのが営業マンの歩合制である
同様に間接人員も、職種によっては製品や地域別に売れた分だけ給料を変動させられればうまい
製造会社で製造部門の人達を固定的に扱っている会社があるが、作業時間等で製品別に労務費
を割り振るようにする
こうして見掛け上の変動費の比率を高くする事で、儲かる製品と売るほど損をする製品が見えてくる