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序盤の打ち方

最初にどこから打つのが正しいのか
入門書では隅から打つように書いてある
そういいながら、プロでも天元から打って見たり、新布石時代には随分と思い
きった打ち方をしている
隅から打つ方が判りやすく、事例も多いし、強い人の真似をしていれば間違い
ないし・・・・
そこで、自分なりに考えてみた
まず、最初の一手は3線より上ならば、どこに打っても価値は大きく変わらない
むしろ最も価値が高いのは天元である、これは目算流を考えるときに計算した
結果である
数学的には中央が最大値を示すのは当然である
隅から打つべしという根拠は最も少ない手数で地になるのは隅であり、中央は
隅に比べ2倍の石数を要するというのがある
だから、隅でまず根拠を確保し、その根拠を背景に辺へ、次に中央に延びてい
くべしと説く
しかし、他方で地と勢力の関係があり、特に序盤では地より勢力を重視すべき
という説明が随所になされる
この辺が素人が囲碁を難しく感じる部分である
碁を習いたての頃は、一応うまい人と同じように打とうとするのだが、石が死んで
しまったり、攻め立てられて思うような場所に打てなかったりで最後は理想とは程
遠い内容で終わるのが常であった
隅も最初に星に打ってあるが、どうにも地にならない、地にすると怒られる
じゃあなんで隅に置き石があるんだとすねたくなる
隅から辺、中央というニュアンスがなんとなくわかるようになるのは、石のつながり
が理解できるようになってからである
それでも、いやますます序盤は何処へ打つのが最善か判らなくなる
例えば三連星とか中国流というのがある
最初こそ隅に打つが、意識は大模様である
1手目、3手目、5手目で隅と辺に打って、次に何れかの辺を打ち、方形の陣を
狙う、方形が同じ石数なら最も面積効率がいいからである
ただし、相手のいるゲームだから正方形に囲えるわけがない
囲うぞと脅して中に入らせ、入ってきた石を殺すぞとまたまた脅し、実際は殺さずに
ちゃっかり地を稼ぐのが大まかな作戦である
相手にしてみれば判っていても入っていかざるを得ない
しかし、隅と辺の星に石を打たれた中へ入るのは死にはしないが窮屈である
だから、打ちこんで生きるだけで相手は得をする・・・
ここで得られる教訓は、
・必ずしも早期に天元付近に打たなくてもいいということ、要するに効率よく地を作ろ
 うする(方形に陣)には中央にも着手が必要なのである、そして地を作るための着手
 の優先順位は、隅、辺、もう一つの辺、最後に中央である
 この順なら途中で邪魔が入ってもある程度の収穫が見込める、無難である
・相手を心理的に追い込むのもゲームの内に入る
・地を稼ぎたいと思っている相手に対して、最初から中央方面に打つのは、逆効果
 であり、地を稼ぐという相手の得意分野で戦う事になってしまう
 要するに同じ石数ならこちらの方がでかい地が出来ますよと見せるのでないと意味
 がない

だから私の流儀は、
1.出来るだけ早い段階で中央志向の手を相手に見せる
  相手によってはそれだけで着手が乱れ、本来の自分の打ちたい所へ手がいか
  なくなる
  良く使うのは1手目なら5五か6六、星への掛りなら5六の位置に小桂馬である
  5筋に石が行くと、相手が身構えるのが判る
  物は考えようで、例えば5六なら次に普通に小桂馬の位置に打てば、小桂馬から
  一間飛びに戻る、別に地を諦めているわけではないのだが、相手にはそうは思え
  なくなるらしい
2.攻め合いと見せて背中に勢力を蓄える手を最重点に置く
  隅の3三に飛び込んで生きる手も時々見せる、いわば虚実の駆け引きを見せて
  おかないと相手の意識が分散しない
  こうして、隅よりも辺、辺よりも中央に「地」を作るように打つ
  実は相手の大きな地を荒らしたいのだが、そのための手段として、まず自分の地
  に打ちこませ、逃げる石を追いかけながら、一緒に踏み込んでいきたいのである
  それなら攻められないで済むので安全という考え方である
  中央を地にするなという格言があるが、簡単に言うとこんな感じではないかと思っ
  ている
3.「攻め合いと見せて」という表現をもう少しいうと
  攻めると言う言葉がおかしい、別に相手の石を殺すわけではない、むしろ固めて
  いる、本当に殺す気があるなら放置するほうが良い
  放置した石を相手が手を入れて生きるなら、その間に別の有効な手を打てばよい
  相手が攻撃する気が無い石を生きに行くのは結構しんどいものである
  だから攻撃された場合は、常に手を抜けないか、相手の石の背中から打てないか
  殺されたらどうなるか、例えば3手で死ぬなら3手他の所に打てないか
  相手が殺しに来てくれるのか
  こんな事を考えながら打っている、プロは振り替わりというのを実に見事にやるが
  私の場合はそんなきれいには決まらない、ドロドロにやる

私が2〜3目置く位の上級者でも、序盤で結構攻め合いに夢中になり大模様を作ら
せて貰える事がある、どこまでがサービスか判らないが結構本気モードではないかと
思っている
日曜日テレビ対局でプロの対局を見るが、時々大模様が現れるのでプロでも時間が
短いと結構はまってしまうのかなと考えている
もちろん私たちのレベルの「しまった」とは次元が違うと思うが
このへんをもう少し理論的に考えてみたのが新布石法である


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