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四国巡礼旅
その2
9.香川県高松から群馬へ
今日は88ヶ所巡りが4ヶ所と別格霊場が1ヶ所の計5ヶ所
である、途中で讃岐うどんを食べたいと思っている
今までも何回か食べて来たが、シンプルなものほど徐々に
やみつきになっていく
関東の醤油味とは違うダシの味が味わえるのも今日が最
後である
85番は84番からさほど離れていない高松市の郊外にあ
った
ここもケーブルカ―で上まで行く方式である
例によってナビが山頂までの道を示すので、ナビでなく案
内かんばんに従って走った
山頂の売店で聞いた所、道はあるらしいが、ナビが正確に
示さないらしく、道に迷う人が多いとの事
山頂には駐車場がなく、関係者用の道らしい
山頂には民家が数件あり、ケーブルカ―で通勤通学する
人用に定期券も販売していた
お寺は今まですごいのばかり見て来たから、普通に映るが
なかなかりっぱなお寺である
山頂の待合所では梅茶をいただいたが、肌寒い日だった
のでうまかった
下に降り、しばらく市内の信号だらけの道を走った後、再び
快適な道に出る
86番、87番と順調に参拝し、88番は山奥のお寺だった
幸い細い道でなく2車線の整備された道だったので楽しく
走れた
最後はきちんとやろうと思い、バイクの上着を脱ぎ、袈裟
と半纏をまとい、正門でおじぎをして、手水(ちょうず)で手
と口を清め、最後に尺(しゃく)を洗う
まず本堂に行き、ろうそくに火を付け、線香を線香立てに
挿す
写経してきた般若心経と納札をそれぞれ箱に入れ、「南無
大師返照金剛」と3回唱える、私の場合は更に真言を3回
唱え(オンアボキャ ベイロシャノウ マカボダラ マニハン
ドマジンバラ ハリバリタヤウン)、その後般若心経を1回唱
える事にしている
これを、太子堂でも同様に行い、納経所でご朱印をいただく
これを108ヶ所のお寺で繰り返すのが私流の正規手順であ
る、もっと丁寧な方法もある
この中で、写経してきた紙を箱にいれるのを、不思議な事に
108ヶ所回ってきた中で一度も目撃した事がなかった
箱の中にはいっぱい写経した紙が入っているので、入れた
人がいるのは間違いないのだが出会わないのはおかしいと
思った
そういえば秩父や関東でも出会った記憶がない
一枚書くのに1時間位かかるので、私は一日に一枚書く
のがやっとである、他の人でも似たようなものだろう
旅の途中で出会った人が、私が般若心経を納めているのを
見て誉めてくれたが、今回の様に108ヶ所全てに2枚ずつ
(本堂と太子堂)納経しようとすると、216枚必要になる
つまり四国に行く前に半年以上準備が必要になる
私は最初100円ショップで購入した替え芯式の筆ペンを使
って書いていたが、筆の穂先がダメになってしまったので、
本格的に書道の道具を揃えた
だんだん気持ちがのってきて、今では古道具店で購入した
硯と墨、書道専門店で購入した、いたち毛の写経専用筆で、
気分を出して書いている
ほとんど習慣の様になり、寝る前に墨を磨る所から書き上
がりまで約1時間かけて作業している
般若心経を書いた用紙の最後に名前と日付を書くのだが、
構わず書いた日を記入している
本当は納経した日かもしれないがお寺で日付を書くのも変
かなと思い、そうしている
参拝する人はその大変さを判っているから誉めてくれたの
だと思う
88ヶ所を巡り終え、巡った行為以上に長かった写経の事が
頭に浮かび、一つのイベントが終わった安ど感が押し寄せた
まだ、別格霊場の20番が残っているが、これからどうしよう
か、何を次の目標にしようかといった事を思いながら88番を
後にした
別格20番は地図の上では88番の先にある
一旦5Km程戻り、その先の山奥に細い道が続いている
段々道が細くなり、山里の細い一本道といった感じになる
途中で工事の為通行止めになっており、手前に大滝寺は
こっちとかんばんが出ている
行って見ると、太い新しい道に出た、2車線でダンプがすれ違
い出来るりっぱな道である
ナビを見ると、本来の道の横のなにもない所を走っている
最近出来た道らしい、暫くいくと旧道になった
そこからは細い一本道でしかも、杉の葉や小枝が落ちている
薄暗くて、舗装があちこちはげている
くねくねとバイクの最小回転半径ぎりぎりのカーブを曲がりなが
ら、山を登っていく
本当にここでいいのかと思いながら10Km位で別れ道にかんば
んが出てきて、ほっとした
お寺は遥かかなたまで四国の山々が見渡せる場所にあった

大きくはないが一通り本堂から太子堂、正門、狭いが境内もあり
横には住職の住み家と思われる建物もある
無事に参拝も済み、地図で見える高速道路でつながる道を教
わった、ここから山をおりて、高速に載り、一気に徳島まで行く
予定である、方角は来た道と反対方向になる
住職の話では、ここまで観光バスで来る人用の道が有り、ナビ
にはのっていないのだという
その道順を教えてくれた、行ってみると確かに広くて良い道であ
る、私のナビにはしっかり載っている、ナビの経路を見ると、大
きく蛇行しながらゆっくり降りて行くようである
おそらく距離だけなら昔の道の方が短いのだろうが、新しい道は
距離が長い分傾斜が緩やかで道が広く出来るのだろう
30分程で国道193号線に出た、高速に載ってからPAで一休み
した、先週の木曜日に家を出て、今日が木曜日である、中7日で
80ヶ所あまりの札所を回った事になる
時間は12時を過ぎてしまった、残念ながらこれからフェリーに乗っ
ても今日の5時までに高野山には着けない
フェリーは11時発で2時着の次は4時発しか無いからである
思い切って家に帰る事にした
もうちょっとゆっくりすればと女房なら反対するだろう
予定は明日帰ると言ってあるし、無理する必要はないのだが、気
持ちがのらないというか、中途半端がいやというか
行ける所までいって途中で疲れたら宿を探すことにした
そうなるとガソリンが神戸まで持ちそうもないので途中で入れなけ
ればならない、淡路SAまで持てばいいがと思いながら走った
とちゅうで標識が有り淡路までの距離が判り、何とか持ちそうなの
で安心した
スカイウェイブは燃料計が付いているが、リザーブタンクだけで燃
料計のないバイクはこういう時に嫌だろうなと思った
予定通り淡路島で休憩し、ついでにうどんをたべた
香川のうどんではないがここのうどんも群馬人にとっては充分に
関西うどんである
帰りは5時に名古屋をようやく過ぎた、家には10時頃帰ると電話し
た、予想通り女房から反対意見が出たが、ここで宿を取ると明日一
日がバイク旅になってしまう
まだ気持ちが張っていて走れそうだった
気温が下がってきて眠気防止にもなっているのが幸いした
道は相変わらず大型車で混んでいるが、街路灯が明るいので昼間
とほとんど変わらない感覚で走れる
進むにつれて大きなSAでは大型車が出入口に停車して休憩するの
が目立つようになってきた
高速バスの停留所の近辺にもいる、プロのドライバーの苦労を思う
ととても怒る気にもなれないが、高速道路の管理者は無情に駐車
禁止のかんばんを出している
民間会社ならこんな大きなビジネスチャンスはほっておかないだろう
大型車駐車場をあちこちに作り目の前にコンビニを置いておけば
ぼろもうけと考えるに違いない
高速道路管理者の相手を思いやらない感度のにぶさと傲慢さに
怒りをおぼえるのは私だけではないだろう
高崎の自宅へは予定より15分遅れて10時15分に着いた
女房に頼んでおいた風呂に入り、荷物は降ろさずに寝た
最後は強行軍になったが、自分なりに安全を確認しながらの走り
だったつもりである
明日は、立ちゴケして折ってしまったブレーキレバーと高松のレッド
バロンで指摘されたブレーキパッドの交換を地元の店に注文に行こ
うと思っている
旅行記と札所の訪問記録はがんばっても1カ月くらいかかりそうである
本日の走行距離は下道約200Km、高速約1000Kmだった
一日目の室戸岬までの距離とほぼ同じくらい走った事になる
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