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カワサキ500SS(マッハV)

90ccのバイクから新しいバイクに乗り換えようと、90ccの
バイクを買った店に行った
それならと見せて貰ったのが500SSだった
まだ学生だったので金がないのは承知の上、かなりボロイ
ことが見てわかった
これなら7万円でいいよとのこと
あまり乗り気でないと見て、エンジンをかけてくれた、何回か
キックを踏み遂にエンジンがかかったかに見えるが、すぐに
止まる、その内バババといきおいよく回り始めた
止まってしまわないように普通はアクセルを捻るとブイーン
と回転が上がるのだが、こいつは違った
低回転でウウウと唸っていて、突然ワオーーンとタコメーター
が跳ね上がる
同時に3本のマフラーから白い排気煙が5m程後ろまで伸び
見る見る修理工場の中が白煙で見えなくなっていく
エンジンの周囲の車体がぶるぶると震え、キャブからはガソ
リンがぽたぽたと漏っている
何回か空ぶかしをすると回転が3000回転位で安定し始めた
しかしタコメーターがブルブルと震えている
じゃじゃ馬マッハというあだ名は伊達ではないことが良く判った
とても乗る気になれず、次にCB450を見せて貰った
これは9万円とのこと、程度が良かった
親に相談したところ、大きいのはよせとのこと、代りにこれ
ならといって父の友人の経営する自転車屋にいって、片隅に
置いてあった、不動のCB350を勧められた
自分で金を持っていない私はそれに従うしかなかった
今にして思うと、この短い瞬間に私のバイク人生は大きく
揺れていた
もし500SSを購入していたら、もしCB450だったら・・・
今、比較的自由にバイクを買える身分になり、この時の反動
が気分としてかなり出ていると感じる時がある
それでもレプリカバイクを買わない自分がいる
もう、怖いものに手を出せない程、年をとったと感じる
カワサキ500SS通称MACHVは自分にとって、何か青春の
ほろ苦さ、悔しさと懐かしさの同居するバイクである